一緒に、歩こう
「ビール、飲めるか?」
「はい、頂きます」
未成年だって言ってるのに、
お父さんは隼人に
ビールを勧める。
お父さんはいつだって、
気に入った人と酒を
交わすのが大好きだ。
「乾杯」
お父さんの声かけで、
2人はお酒を飲み始めた。
あたしは台所でお母さんのお手伝い。
「お父さん、嬉しそうね」
「そうだね。よかった、隼人のこと認めてくれたみたいで」
「ふふふ、そうね」
まな板をとんとんとん、と。
懐かしい音が響く。
お母さんはキャベツを
千切りにしながら。
「変ね…」
泣いていた。