一緒に、歩こう
振り向けば、そこには
久しぶりに再会した
竣が立っていた。
「こっち帰ってきてたのか」
「あ、うん。ちょっとね…」
「何だよ、連絡くらいしろよな」
「あ、すぐ帰るつもりだったから…ごめん」
沈黙に耐えられなくて、
あたしは家に向かって歩くことにした。
何も言わずとも、多分竣は着いてくるし。
「いつ帰って来た?」
「今日のお昼くらいかな」
予想通り着いてきた竣は、
少しばかり嬉しそうな声で
あたしに話しかけてくる。
「いつ向こう戻るんだ?」
「明日かな、多分」
そっか、と小さく呟き
2人並んで静かに歩く。
沈黙を制したのは。
「あのさ」
やっぱり竣だった。