一緒に、歩こう
「俺、やっぱりさ」
いつの間にこんな時間
経ったんだろう。
冬は夜になるのが早いけど、
まだ夕方の5時なのに
外はうっすら暗くなっている。
そんな中、変な感じがした。
向けられる視線が、
熱いなって。
「諦めらんねぇわ」
竣はそう言って、
あたしの手を引いた。
ぎゅって握られる手には、
竣の温もりが伝わってくる。
「竣?」
「教育実習に行った時にも言ったけど。まだ芽衣子が好きなんだよ」
再び想いを告げられる。
今回はそんなに動揺しなかった。
なぜだろう、多分。
もう気持ちに揺らぎがないから。
「矢野に負けたくないし、俺の方が芽衣子を好きだって証明してみせるから」
何で、そんなに
ストレートにぶつけられるの。
こんなあたしなのに、
何でまだ想えるの。