一緒に、歩こう
「一緒に住んでるみたいだな」
と隼人は言った。
「ん、そうだね」
「卒業したらずっと一緒にいれる」
「ずっと?」
「ずっと」
子どもをあやすような声で。
低くて落ち着いた声で。
「一緒に?」
「一緒に、いれる」
半分寝かけていたあたしが、
今度はどういうわけか
眠れなくなった。
それは、嬉しくてたまらなくて
涙が溢れ出たから。
「だからそれまで頑張ろうな」
「うん」
溢れる涙を拭いながら、
あたしは隼人の腕に
しがみついた。
ここまで想ってくれて、
あたしは幸せで。
もっと、ずっと一緒にいたい。
いれるって、そう思ってた。
だけど、あたしのこの気持ちが、
この先の未来を変えてしまう
ことになるなんて、まだ
分かっていなかったんだ。