一緒に、歩こう
翌日、目が覚めて食事を作る。
窓から差し込む朝日が、
眩しい。
「隼人起きて~」
あたしはベッドに行って、
隼人を起こす。
やっぱり1回じゃ起きなくて、
何回も揺すってあげる。
決まってあたしの手を引き、
一緒に寝ろと言う。
「もう早くしないと冷めちゃうでしょ」
はいはい、と髪をくしゃくしゃと
しながら洗面所に向かう隼人。
あたしはなるべく彼が帰る時に、
めんどくさくないように
服を鞄につめてあげようと
洗濯物を取り込むことにした。
そういえば、学生鞄も家にあるから、
それも用意してあげないと。
そう思って、あたしは隼人の
鞄を泊まり用の鞄と一緒に
揃えて玄関に置いた。
ふと顔を上げた時。
下駄箱の上に隼人の財布が
置いてあることに気付いた。
「入れとかなきゃ…」
あたしはそう思って。
学生鞄の中を開けた。
「…え、これ…」
そこには。
県外にある大学のパンフレットが、
2冊入っていた。