一緒に、歩こう




彼なりに、考えて。

あたしと同じ気持ちを

共有しようとしてくれてる。




「うん、ありがとう隼人」



1人で寂しくなっても

隼人がいる。

寂しいときは寂しいって、

言っていいよってことなんだよね?




「腹減った」




「あ、そうだね!ご飯にしよっか」




あたしは車を走らせ、

景色のいい場所に移動した。

お腹が空いたと言った隼人のために、

頑張って作ったお弁当を差し出す。

急ぐ必要はないのに、

頬をいっぱいにして食べる隼人。





「そんな急がなくても」





「腹減ったから」





美味い、と言いながら食べる

彼を見て。

このままずっと、

こうやって2人寄り添える。

そう思って。そう願って。

あたしは必死に食べる彼の横顔に、

そっと微笑みかけた。





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