一緒に、歩こう
隼人が卒業したら。
公開されようが、何されようが
もう関係のないこと。
あたしが、我慢すれば。
そうすれば、隼人だけは守れる。
「少し時間をください」
「時間?いいでしょう」
何が、いいでしょうだよ。
本当に反吐が出る。
「また、声をかけますね。朝比奈…、いや、芽衣子さん」
緑山先生は、あたしの肩を
ポンと叩いて、出て行った。
瞬間。
あたしは、崩れた。
もう、立てない。
「こんな方法しか、取れないよ…隼人、」
愛したいのに。
これから、離れても。
愛していこう、って…
そう思ってたのに。
「ごめんなさい、ごめんなさい…」
もう。
今すぐ隼人に会いたい。
会って、こんなこと言われたよ、って。
だから、助けて隼人、って。
言いたいのに。
「これが、あたしの運命なら…」
いなくなりたい。
もう、言葉も出なかった。