一緒に、歩こう
「ごめんね、用はそれだけよ」
「芽衣…、朝比奈先生」
「帰るわ。気を付けてね」
隼人、心の底から謝りたい。
あたしの不注意で、
こんなことになったの。
あなたは何も悪くないのに。
「ちょ…っ」
「電気消すねー」
発言は全て無視。
もう、こうするしか
隼人を遠ざける方法はない。
「待ってって」
「帰るのよ、あたし。残るなら残っててもいいわよ」
じゃあね。と。
立ち止まる彼に、
あたしは目も合わせず背中を向けた。
もう顔を見られないだろう、と。
あたしは知らないうちに
涙を流していた。