一緒に、歩こう
「信じねぇからな!」
背中に聞こえる。
愛しいあの人の、叫び声。
ここが人気のない場所だから
いいものの。
「お前は俺のだ!」
涙は、止まることを知らない。
まだ、こんなことを言っても
隼人は俺のだとか言ってくれてる。
もう、戻れないのに。
「諦めねぇからな!」
もう耐えきれなくて。
あたしは走った。
この空間が、
辛くて堪らなかった。
ねえ、隼人。
好きだよ。
大好きだよ。
こんなにも、好きなのに。
あたし達には、
乗り越える壁が多過ぎたのかな。