一緒に、歩こう





「説明しろや、緑山」





「は…矢野くん、」





隼人、と言いかけて

矢野くんと呼び直す。





「これはこれは矢野隼人くん。どうしたのかな?」





「とぼけんな。どういうことか、説明しろって」





緑山先生は、あくまでも

何でもないようにしようと

必死に抵抗している。

が、一方隼人は何かがあることに

気付いてるようで、

引き下がろうとしない。





「困りましたね、頑固ですか。矢野くんは」





この状況でも、まだ

笑っている緑山先生。

あたしは、もうどうしたら

いいか分からないでいた。





「ふざけんな、てめぇ」





いい加減にしろと、

ふつふつ怒りが収まらない

様子の隼人。






「いいでしょう、説明してあげます」





「緑山先生!」





「大丈夫です。説明くらいしてあげても問題はないでしょう」





何を考えてるんだろう。

付き合ってたことは、

きっと分かっているはず。

なのに、写真のこととかを

説明したら、隼人がどうなるか

なんて予想出来るはず。






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