一緒に、歩こう




"生徒諸君、ただちに教室に入りなさい"




繰り返す、と

校内放送が入った。





「みんな戻りなさい」





あたしは生徒たちに

校内に戻るよう指示すると、

重たい気持ちを抱えながら

職員室に向かった。





「おはようございます」





入口のドアを開け、

中に入ると。

少しざわついた気がした。





「朝比奈、ちょっと」





声をかけてくれたのは、

保健医の白石先生だった。

無言のまま保健室に向かう

白石先生の後を、

無言で追う。

保健室に入ると、

先生は鍵を閉め

イスに座った。





「座りな」




「失礼します」





はあ、と大きなため息を

吐く白石先生。

あたしは、顔を見ることが

出来ず、下を向いた。






「隼人から話は聞いたよ」





「あ、そうだったんですか…」






そういえば、

隼人のお姉さんなんだっけ。

と思い、自然と顔が上がる。




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