一緒に、歩こう






「この騒ぎも、緑山の仕業らしいね」





「あ…はい。多分そうです」





「でもばかなのは、朝比奈じゃなくて、ばか弟だから」






本当に、ばか。

と繰り返すように

呟く先生。





「隼人が何も言わなければ、こんなことにならなかったしね」





「いえ、そんなことは…」





「そうでしょう。だって、あんたは騒ぎを最小限で抑えようとした。なのに、隼人が蒸し返したみたいなもんでしょう?感情のままに行動したせいで、朝比奈が苦しむとか分かんないのかね」





先生の怒りの矛先は

どうやら隼人のようだ。

あたしは、何も言えず、

ずっと黙ったまま

話を聞いた。





「ごめんね、朝比奈」





「いえ、とんでもないです。あたしが1人で解決しようとして、隼人を傷つけたのが悪いんですし…」





「で、これからどうするの?」






これから、か。

どうしたらいいものか。





< 472 / 497 >

この作品をシェア

pagetop