一緒に、歩こう
「校長が呼んでた。その前に話聞いとこうと思って」
「あたしは、人違いだって言うって…隼人と約束したんです」
沈黙が走る。
人違いで通るかどうか、
今になって心配になってきた。
「そう。分かった。多分ね、隼人ももう校長室にいると思うから。あんたも行ってきな?」
「あ、はい。ありがうございました」
あたしは立ち上がって、
軽く会釈をする。
すると、難しそうな顔を
していた先生は笑顔を見せ。
「あたしはあんた達の味方だから」
そう言ってくれた。
「失礼します」
保健室を出たあたしは、
真っ先に校長室へ。
何を言われるか怖い。
でも、隼人も戦ってるから。
あたしも一緒に頑張ろう。
決心したあたしは。
「朝比奈です」
校長室のドアを、
ノックした。
「入りなさい」
校長先生の声が、
いつもよりも低く感じる。