一緒に、歩こう
「失礼します」
ドアを開けると、
校長よりも先に
隼人の背中が目に入って。
「ま、座りなさい」
校長の向かい合せに
座っている隼人の横に
誘導され、言われるがままに
腰を下ろす。
「騒ぎのことは聞いている。朝比奈先生、これは本当ですか?」
どこかから取って来たのだろうか。
端にはセロハンテープがついている。
「事実ではありません」
拳をぎゅっと握りしめる。
隣にいる隼人が、
頑張れって言ってくれて
いるようで。
「うーん、でもね…朝比奈先生にも見えるんだけど」
写真とあたしを見比べて、
判断している様子。
きっと疑っているのだろうけど、
信じたくないという気持ちの方が
勝っているのだろうか。
「だから、こいつは関係ないって言ってんだろ」
「でもねー…、うーん」
何を悩んでいるのか、
校長はあたしと隼人の顔を
困り果てた顔で
見つめていた。