一緒に、歩こう




「失礼します」




ドアを開けると、

校長よりも先に

隼人の背中が目に入って。





「ま、座りなさい」





校長の向かい合せに

座っている隼人の横に

誘導され、言われるがままに

腰を下ろす。





「騒ぎのことは聞いている。朝比奈先生、これは本当ですか?」





どこかから取って来たのだろうか。

端にはセロハンテープがついている。





「事実ではありません」





拳をぎゅっと握りしめる。

隣にいる隼人が、

頑張れって言ってくれて

いるようで。





「うーん、でもね…朝比奈先生にも見えるんだけど」





写真とあたしを見比べて、

判断している様子。

きっと疑っているのだろうけど、

信じたくないという気持ちの方が

勝っているのだろうか。






「だから、こいつは関係ないって言ってんだろ」





「でもねー…、うーん」





何を悩んでいるのか、

校長はあたしと隼人の顔を

困り果てた顔で

見つめていた。





< 474 / 497 >

この作品をシェア

pagetop