一緒に、歩こう
「俺、もうお前の生徒じゃねえから」
「うん。卒業、おめでとう」
この制服姿も、
もう見ることはない。
高校生の隼人は、
これから大学生になる。
「次は大学生、だね」
自然と目に涙が溢れる。
また離れちゃうなって。
「あー、その話なんだけど」
急に改まる隼人。
え、なになに。
焦るあたし。
「…な、何」
「九州の方、行かないから」
「…何言って、」
すると隼人は鞄の中から、
パンフレットを見せてくる。
「ここ…」
「今年から出来る所」
パンフレットに載っている大学は、
ここから30分もかからない場所。
「え、どういう…こと?」
理解出来ないあたし。
だって、受験して、合格まで…。