一緒に、歩こう
「ま、いいや。帰るわ」
「あ、うん。気を付けてね」
すとん、と落ちた腰を
上げるには時間がかかった。
目の前にあった光景が、
今も繰り広げられて
いるかのような気がして。
「たまんないよね、こういうの…」
こんな必要以上の関わり。
あったら、もっと。
ほしくなっちゃうじゃん。
「あ、会議っ」
会議があることを理由に、
矢野くんを頭からふっとばし
急いで職員室に向かった。
なかったことに
したくない。
だけど今は頭から離さなきゃ。
その後、会議に行くと
もう終わりかけていた。
今日はいいことだらけで、
何だか気分のいい一日で。
帰ってから気持ちよく
眠りにつけたのは
ここだけの話。