一緒に、歩こう
矢野くんは終始、
ダルそうにしていて、
たまにあくびをもらす。
そんな姿にあたしは、
1人にやけてしまう。
騎馬戦は各色ごとに
対戦するもので、
勝ち上がった2組が
決勝をして1位を決める。
「位置について」
矢野くんのいる2組と、
4組が勝ち残り1位決定戦へ。
ピストルと同時に、
さっきより大きな歓声が
グラウンドに響いた。
あたしは他のどの生徒よりも
矢野くんしか見えない。
彼なりにクラスに協力
している姿に胸を打たれる。
そんな彼に見惚れていた時。
お互いが強くぶつかって
崩れ落ちてしまった。
「嘘っ…、」
あたしは誰よりも先に、
グラウンドの中央へ向かった。