一緒に、歩こう




中央に着いた時には、

みんな立ち上がっていて。

中には怪我をしている生徒もいる。




「みんな本部で手当てするから来なさい!」




保健医の白石先生はその場で

怪我をした生徒を誘導し

本部のテントに連れて行った。

中には矢野くんもいる。

あたしは騎馬戦に出ていた生徒を

退場させると、急いで

本部に戻った。




「大丈夫ですか?」




保健医に声をかける。

他の先生がいないため、

1人で施す手当て。

先生は助かったというような

顔を見せ、あたしに

消毒と綿を差し出す。




「朝比奈先生、手伝って!」




「え、あたしがですか?」




「かけて拭くだけだし、出来るっしょ!」





…出来るっしょ、って。

別にするのは構わないけど。

あたしは仕方なく、

自分の方にも生徒を

回すことにした。

消毒をつけた綿で、

傷口を拭く。

意外と軽い怪我で、

あっさりと帰って行く

生徒達。



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