一緒に、歩こう
「出来んのかよ、お前」
そんな毒を吐く矢野くんが
あたしの目の前に現れた。
「あれ…、今あっちに並んでなかった?」
「何か用事あるから向こう並べって」
テントには放送器具が置いて
ある所に生徒がいるだけで、
他はあたしと矢野くん以外
誰もいない。
「誰もいないじゃん…」
「うるせぇな。早くやれよ」
あ、はい。と、
あたしは急いで手当てを
始めることに。
「我慢してね…、」
「痛ぇって、ばか。お前下手すぎ…」
文句を言いながらも、
あたしの手当てを
受ける彼。
少し触れる肌が、
あたしを刺激する。