一緒に、歩こう
「あ、やだ。寝ちゃってました」
先に目を覚ましたのは、春野さん。
可愛らしく目を擦りながら、
目の前の矢野くんに視線を向ける。
「ごめんなさい。隼人、1回寝たらなかなか起きなくてっ」
春野さんは、矢野くんを
優しく揺すって起こそうとする。
「隼人?起きてっ」
なかなか起きないことくらい。
あたしだって知ってるよ。
何度もこの場所で、
矢野くんを起こしてるもの。
あなたとは違う立場で、
彼と関わってるんだから。
「ね、早く!」
彼女が必死に起こす中。
彼はとんでもないことを
口にした。