恋は陽炎 ~道化師の初恋~
 亜美菜は思いっきり照れてしまった。それというのも、可愛いなどという言葉を掛けて貰った記憶が全くなく、恐らく、赤ん坊の時以来では無いかと思った。いくら私でも、赤ん坊の時位はそう言われたに違いない。根拠も何も無いけれどね。

「そう言えば、いつも来てたんですね。すみません、気付かなくて」

「ううん、気付かなくて当然よ。私、反対側の端の席が定位置だもの。今日はほら、先を越されてしまっちゃってね」
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