恋は陽炎 ~道化師の初恋~
 何度窓際に立っても、雨は一向に止む気配すらない。

「諦めるしか無いのかな」

 亜美菜は、最新の天気予報を確認した。それによると午後は曇り空になるという。 

「よし、午後から行くぞ」
 しかし、予報に反して雨は降り続けた。 

 亜美菜は、嫌気がさした。しかし、行くと決めた気持ちは止められず、透明なカッパを着こむと自転車で家を飛び出した。 
 頭に被ったフ―ドはすぐに後ろへとなびき、冷たい雨は容赦なく頭を襲った。 
「シャワーだと思えば何でもない」

 亜美菜は負けなかった。
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