恋は陽炎 ~道化師の初恋~
「あ、ありがとうございます」

「どう?壊れてないよね?」

 亜美菜は、動くかどうかを確認する為に着信したメールを開いた。 

「あ、大丈夫みたいです」
「そう。良かったね」 

 メールは、あの彼からであった。 

「もしかしたら、例の彼からのメールかな?」

 珍しく奈々が興味を見せた。 

 キッパリと諦めたのに、あれほど嫌な奴だと思ったのに、しわくちゃになった紙切れを見ていると、無性に話をしたくなり、ついメールを入れてしまったのが二日前。それが、こんなタイミングで返ってくるなんてツイテない。
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