恋は陽炎 ~道化師の初恋~
 次の日も、そしてその次の日もヒロくんは待ち合わせ場所に来なかった。 

「どうしたんだろうね、ヒロくん・・・」

 亜美菜は今日も一人で淋しくて切ない道をトボトボと帰った。

 その夜、久しぶりのメールの着信音。 

 亜美菜は、少しでも早く読まないと、そんな気持ちで慌てながらメールを開いた。

「こんばんは、亜美ちゃん。元気にしてますか?僕は今、自宅療養中です。でも、病気じゃなくて大したことないケガだから心配はしないでね。登校出来るようになったらまたメールします」
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