恋は陽炎 ~道化師の初恋~
 震えだした指先がインターホンに近づく。後2センチ、後1センチ・・・

 ダメだ、怖い。きっと嫌われたんだ。だから、ドアが開かないんだ。 

 亜美菜は、ドアの前にうずくまった。 

 今逢わなければ、今逢わなければこれっきりになりそうで、そう思うと涙まで溢れ出してきた。

 ヒロくん、どうしてなの? 
 逢いたいよ。ヒロくんの顔を見たいよ。
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