恋は陽炎 ~道化師の初恋~
 蒸し暑い風と冷たい風の間の風が亜美菜の髪を踊らせると、それにつられるかのように後ろを顔を向けた時、二階のベランダに彼の姿を見た。 

 ヒロくん・・・ヒロくんだ。 

 亜美菜は立ち尽くした。 
 走ってヒロくんのところに行っても良いのか。それとも、これが最後のお別れなのか。 

 今の亜美菜には判断できなかった。
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