恋は陽炎 ~道化師の初恋~
 亜美菜の心臓の鼓動は頂点を迎えるように高鳴り、部屋中に響き渡りはしないかと心配した。 

「入るからね」

 返答は無かった。 

 それでも亜美菜は中に進んだ。

「ヒロくん・・・」

 机に腰掛けている背中が見えた。 

 ヒロくんの背中って、こんなに小さかったっけ? 
「入ったらドアを閉めて」 
「あ、はい」

 突然の声に亜美菜はビクッとし、急いでドアを閉めた。
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