恋は陽炎 ~道化師の初恋~
亜美菜は返事に詰まった。はい、とも言えずに。
「じゃあ、借りるね」
優しい笑顔で去って行く背中。亜美菜は、走った。静かな室内に響く足音。
「その本。ページが破れてるんです。だから、借りないで。借りないで下さい」
亜美菜は叫んだ。
「じゃあ、借りるね」
優しい笑顔で去って行く背中。亜美菜は、走った。静かな室内に響く足音。
「その本。ページが破れてるんです。だから、借りないで。借りないで下さい」
亜美菜は叫んだ。