恋は陽炎 ~道化師の初恋~
 亜美菜は、照れながらも自己嫌悪の渦に包まれて行く自分に気付くと、このピエロの性格が疎ましくなった。 



「君、大丈夫なの?」



 膝頭がヒリヒリするけど、そんな場合じゃない。 


「その本、私が破いたんです。だから、破れてて読めないんです」
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