恋は陽炎 ~道化師の初恋~
 場所をわきまえるような小声は、確かに聞き覚えのあるあの声。 



 私は、勢いよく立ち上がった。それと同時に椅子が後方へ倒れ、ガタガタンという音が静かな館内の空気を乱した。



「あ、ごめんなさい」 



 私は慌てて四方八方の人達に謝った。
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