幽霊の思い出話
道場に入ると、何人かいつものように集まっていた。そんな中、ズカズカと割って入っていく近藤さんの顔は嬉しそうで少しはにかんでいた。
「左之、おはよう」
一人の門下生が元気いっぱいの声で、肩をポンっと叩いてきた。
「おはよう、新八(シンパチ)。寒いのに元気だな」
「井上(イノウエ)さんに稽古つけてもらったからな」
そう言って力こぶを作って笑ってみせていた。
「そういえば、近藤さんが重大発表があるってよ」
「重大発表?あぁ、だから居ない奴集めろって言ってるんだな」
近藤さんは門下生たちに集合と号令をかけていた。
「行ってみるか」
入口付近に居た俺たちは近藤さんたちが集まっていた場所へと向かった。