幽霊の思い出話

「だとよ。新八どうする?」

「どうするって言ったってなぁ、ここに居る以上近藤さんについていくしかないだろう。ただでさえ浪人なんだから」

「だよなぁ。何するかしらねぇけど、行くしかねぇよな」

 騒ぐ周りとは反対に俺たち二人は冷静だった。

 決して嬉しくないわけではない。自分の力を試せる場が出来るかもしれないのはいいことだ。でも、誰かの下で働くのは正直懲り懲りだ。故郷で上官と喧嘩した苦々しい記憶を思い出して、眉間にシワを寄せた。
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