幽霊の思い出話

「俺が死んだのは今から百五十年程前なんだ、多分だけど」

「そう」

 百五十年前と言われても、いまいちピンと来なかった。

 刀を持った人たちが生きていた時代なんて、どんなものか想像もつかない。

 適当に相槌を打ちながら、尻餅をついたままではいけないと思い、ゆっくりと立ち上がり服についた土を払った。

「それから目が覚めたのは、今から約五十年程前」

「ん?どういうこと?」

「俺が死んでから目が覚めるまで、約百年もの時間があったんだ」
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