幽霊の思い出話

 冷たく低い声で山南さんは言い放った。

「山南さん、それは皆一緒だ。気持ちは一緒だから、頼む」

「どけっ」

 山南さんは低い声で言い放った。

 押し問答していると、だんだん周りが暗くなってきた。かがり火が消え始めたのだ。

「あっ、消し始めたよ」

 平助がそう言ったのを聞いたあと、山南さんは刀にかける手の力を緩めた。

「ふぅ。話がついたみたいだな」

「あぁ、あの人予想よりやばい人だな」

「傍若無人。ぴったりの言葉だね」

 本当にこんなに面倒な人は初めてだ。しばらくこの人が一緒なんて・・・。

 山南さんを見ると、青筋が立つほど怒っているのがわかった。睨みつけるようにじっと芹沢さんを見ていた。
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