幽霊の思い出話
上洛
かがり火のことが一応解決してからも、京に着くまで俺たちは、少しピリピリしていた。でもそれも上洛するまで、そうすれば芹沢さんたちと少しは離れるだろう。そう思っていた。
ところが自体は急変した。
「あぁー、道中疲れたなぁ」
「あぁ、きつかった」
「寒さもあったしな」
口々に愚痴を言いつつも、浪士組は無事、京に到着した。そして、指示に従い、壬生村に行き分宿することになった。
俺達は八木邸にお世話になることとなり、挨拶を済ませ、部屋に行き一息ついた。
「警護っていつするんだろうな、土方さん」
「さぁな、無事済めばいいが・・・な」
何か考えるように、土方さんは天井をぼんやり眺めていた。