幽霊の思い出話

 清河さんは黙り、それを見た芹沢さんたちは本堂から出て行った。

「近藤さん、俺達も出ましょう」

 土方さんがそう言うと、あぁと頷いて近藤さんは立ち上がった。俺達も一緒に立ち上がり、本堂をあとにした。

「糞っ、このままじゃ江戸に帰るしかないのか」

 外に出てから新八は地面を蹴り付けながら、行き場のない苛立ちをぶつけていた。

「いや、そんなことはないよ」

 山南さんがにっこりと、何かを考えついたかのように言うと、賛同するように土方さんも頷いていた。

「とりあえず今日は休もう」

 近藤さんのその一言で、各々の部屋に戻って行った。
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