幽霊の思い出話
「嘆願書通ったんだってよ」
「帰らなくてすむぞー」
そう言うと、おぉっと歓声が上がった。まずは一つ目の問題が解決した。
「芹沢さんたちは知っているのか?」
「今ちょうど帰ってきている時に、会津藩の人間が報告に来たので芹沢さんたちも一緒に聞いたから知っている。私だけ先に走って帰ってきたんだ」
「そうか」
決定まで長く感じた。でもこれでやっと京の町で自由に出来る。
皆で話し込んでいると、芹沢さんと近藤さんが帰ってきた。
「近藤さん、やりましたね」
「あぁ、本当に良かった」
顔をクシャクシャにして近藤さんは笑った。笑顔になってくれて良かった。