幽霊の思い出話

日々

　翌日から何人かずつで街に巡察に出るようになった。・・・が、近藤さんのやる気とは裏腹に街での反応は痛々しいものだった。

　町民は、他所者の俺たちに冷ややかな目や陰口を言っていた。芹沢さんのかがり火の噂が広まっているのも要因の一つになっていたようだ。

　巡察を始めてしばらく経った頃。

「ふぅ。歩くだけで何とも言えない雰囲気になりますね」

　山南さんが帰ってくるなり腰の刀を外しながら、愚痴をこぼし始めた。深いため息が耳につく。

「お疲れ様。次は俺たちが行ってくるわ」

「気をつけて」

　愚痴なんて聞きたくない。次に巡察に行く人間に愚痴なんてこぼすな。少し腹ただしかった。