幽霊の思い出話

「そこでだ」

 人差し指を私に向かってさした。

「うん?私がなにか?」

 少し興奮気味に、嬉しそうに話した。

「俺はおまえに憑くことにした」

「・・・はいっ?」

 笑顔で話すこの人に、私は思わず怪訝な顔をした。

「見える人間なんて、今までこの五十年会えなかったんだ。会話まで出来る。やっと会えたのに逃がしてたまるか」

 ニカっと歯を見せて笑った。名案だといわんばかりにの顔。

「いや、なんでそうなるの?もしかしたら明日会えるかも知れないじゃない」

「五十年も会えなかったのにか?」
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