幽霊の思い出話

「芹沢さん、酒飲んでた。真昼間からあんな皆が集まるところで飲まなくてもいいのに・・・。しかも気のせいかもしれないけど、若干手が震えてるように思えた」

 平助は俯き加減で小さく言った。

「病気か?」

「それあるかもな。あぁやって話をする場の時に酒なんて普通飲まないだろう?ないときついのかもしれないな」

 新八が酒は思い出したくないという顔をしながら言った。

「まぁ、そうだよな」

 振り返り芹沢さんを見ると、鉄扇を縁台の縁にこつんこつんと当てながら空を眺めていた。確かに、酒瓶が脇に置いてあるように見える。

 召集を喜んでいるような、和やかな顔だった。
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