幽霊の思い出話
政変
門から少し離れたところで火を焚き、藩の様子を伺っていたが俺たちを受け入れてくれる気配は感じられなかった。皆、それには気付いていたようで誰もそのことには触れようとはしなかった。
門内はざわついた様子はなく、目立った問題は起きていないようだった。
空を見上げる。真っ黒だった空が少し薄くなりはじめたのが分かり東の空を見ると、少し明るくなり始めているように思えた。
「どこか別の箇所で問題起きてねぇといいな」
小さく隣にいた平助に話しかけた。
「うん。・・・俺たちいつまでここに居ればいいのかな」
不満げに呟く平助。魁先生とも呼ばれるこいつはじっとしているのが嫌いだ。今だってきっと堪えているに違いない。