幽霊の思い出話
頭上で太陽が燦々と照らし始めた頃、さすがに皆疲れを見せはじめた。
なんとか神経を研ぎ澄ませようとするが、こうも暑いと脳が働かない。
辺りを見回す。近藤さんは皆を心配し、声を掛けて励ましている。
「近藤さん大丈夫なのか?疲れてるだろうに」
新八が俺の視線を悟ったように言った。
「あぁ、立っているだけで体力を消耗するというのに、動き回ってるんだ。相当きついだろうよ」
「いつまでこのままここに居なくちゃいけないんだろうな」
新八が小さく溜息をつきながら呟いた。
「こんなこと言うべきではないんだろうけど」
自分の放った言葉に被せるように、新八は言った。
目立った騒動もなく、手持ち無沙汰の俺たちはつい愚痴をこぼした。