幽霊の思い出話
「うーん、ならないかも。斬り合いになりそうにないし、結局さっきと場所が変わっただけで何も変わらないでしょ?」
「そりゃそうだ」
平助の言った事も一理ある。でも、将軍様が近くに居る、と思うと自然と身が引き締まった。
「まぁ、俺たちの今の仕事はこれだってことだろうよ」
「そうだな。・・・にしても、長州の連中追い出すのに何時間掛かるんだよな」
「俺が行ったら一瞬で済むんだけどなー」
平助は刀に手を掛けながら、にやっと笑った。
「さすが魁先生。言う事がでかいねー」
平助を、新八と二人でからかいながら、御所付近に移動した。
笑っていた俺たちも、到着したあとさすがに黙った。
近くで怒号が聞こえる。まだ制圧しきれていない・・・ということか。
思わず、槍を持つ手に力が入る。