幽霊の思い出話
「さっ、行こう。新八も呼ぼうぜ」
「それがいいね。巻き込もう」
悪戯に笑う平助は子供っぽさを見せた。
それから、新八を引き連れ俺たちは外で稽古をした。照りつける太陽が憎たらしい。
「暑い」
「あぁ、暑い」
「暑いね」
そればっかりを口にしながらも、稽古の手は休めなかった。いつかの何かのために、俺たちは強くないといけなのだから。
それは口にしなくても、ここにいる者は、いや、少なくとも俺たち三人はそう思っていた。
「おーい、帰ったぞ」
いつもより、少し声の高い芹沢さんの声が聞こえた。
「また、酔ってるのかな」
「あの声はそうだろうな」
顔を見合わせ、三人揃ってため息をついた。