幽霊の思い出話
「おかえりなさい、近藤さん、芹沢さん」
表へと二人を出迎えに行くと、土方さん、新見さんも来ていた。案の定、芹沢さんの顔は少し赤かった。暑さのせいなのか、酒のせいなのかはわからない。
「皆に話がある、集まるよう呼びかけてきてくれ」
「はっ」
何人かが小走りに中へと入っていった。
「また話か」
「いい話だといいんだけどな」
「うん」
少し待つと、巡察組以外の人間がほとんど集まった。
「よし、集まったか。今しがた、会津藩の元に行って参った」
芹沢さんの声が浮ついている。何かいいことがあったのか。
「そこでこの前の働きについて、褒美の言葉を頂いた」
何もしていないと感じていたが、あの警護だけでも役に立っていたんだな、とそう思うと少し嬉しかった。