幽霊の思い出話
「そして、この前の功を認めていただき、私たちに名を下さった」
「名?」
「壬生浪士じゃなくなるってことか」
皆の反応を待つように、芹沢さんは少し様子を伺っていた。
名が変わる。
少しでも努力が報われた、ということなんだろうか。
「あの、名が変わることによって、何か変化はあるんでしょうか?」
誰かが、疑問を投げかけた。
「会津藩が多少の資金を支給してくれるだろう。何より、名をもらうということは、俺たち個人団体のちっぽけなものから、大きな組織になったという大変名誉なものだ。認知されていけば、入隊者も増える。組織は大きくなるのだ」
芹沢さんは手を大きく開き、演説をするように声高々だった。
「分かったか?」
「はっ」
「それで、その名とは・・・」