幽霊の思い出話
「山南さん、あんたって人は」
感嘆の溜息をつきながら、山南さんの肩をぽんと叩くと不敵な笑みを見せて満足そうな顔をしていた。
「いつぞやの恨み晴らしたかったので清々しました」
「いつぞやの恨み?」
「いや、気にしなくていい」
山南さんは嬉しそうだった。いつぞやの恨みってのはきっと、かがり火の時に近藤さんが受けた屈辱のことだろう。
もしかしたら他のことかもしれないが、あんなに怒っていたのを見たのは初めてだったから、俺の思い当たる節といえばそのことだ。
「格好よかったぜ、山南さん」
新八も俺と同じように、山南さんの肩をぽんと叩いた。
「まぁ、元々、名だけは新見さんは局長ですからね。名だけなら良かったのに、この面々の前で発表となると黙ってはおけない」
「あぁ、そうだよな」