幽霊の思い出話
嫌な空気が流れているのを感じた。
「芹沢さんには話を?」
「あぁ。通してある。しないわけにはいかないからな」
土方さんはため息混じりに、芹沢さんに話に行った時のことを話してくれた。
「話に行き、事情を伝えると、珍しく何も言わずに頷いたんだ。あの人自身何か気になるところがあったのかもしれねぇな」
芹沢さんが何も言わないなんて。あの人なら、自分の派閥の人間を疑われたら罵声の一つでも吐くかと思ったのに。
「左之、平助、芹沢さん酒を煽っていたから、問題起こさないようにあとでちょっと様子見ておいてくれ」
「はい」
「それで、この件はここにいる者で片付ける。全て、口外は許さない。いいな」
「はっ」