幽霊の思い出話

「ふぅ」

 燦々と照り付ける太陽を細目で睨みつけながら、額に滲んだ汗を拭う。

 私は紙コップに入った飲み物を片手に、高速道路のサービスエリアのベンチで休憩をしていた。

「まだ行かないのか?」

 まだですよ。むしろ行きたくないんですよ。というか、帰るんですよ、私は。・・・一体いつまでついて来るんだろう。

「おーい、真沙美(マサミ)」

「はいはーい、今行きますよ」

 持っていた飲み物を飲み干し、紙コップをごみ箱に勢いよく捨てて車に乗り込んだ。

「早く行こうぜ」

「はいはい」

 しぶしぶ車を発進させる。あぁ、なんでこんなことになったんだろう。
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