幽霊の思い出話
「なっ、何で私が?」
「まだシラを切るのか?」
新見さんはしきりに首を横に振った。
「私は、何も、何もしていない。ただ、組のことを・・・、芹沢さんを思って」
ゆっくりと後ろに下がっていく新見さんを、ジリジリと追い込むように、少しずつ前に出た。
「あんたもしつこいな」
新八が口走った言葉に、新見さんは睨みつけた。
「やっていないと言っているだろう」
怒鳴りつけるように、新見さんは反論した。
「そうか、総司頼む」
「はーい。あっ、もう出ていいですよ」
そう言って店の店主を外に追い出し、別の男を中に入れ込んだ。その瞬間新見さんは目を見開いた。
「その顔は見覚えがあるって顔だな」
土方さんはにやっと笑った。